起業家のための事業計画書の作成の仕方まとめ

カンタンスマート!事業計画書はこう作ろう!

事業計画書とは何か

事業計画書は、言葉の通り、事業の計画書です。プラモデルでいう組立説明書と同じです。創業融資は、基本的には未来の話を書きます。そのため、数字(売上予想など)については、あくまでもあなたの予測にしか過ぎません。しかし、数字が予測ではなく、ほとんどの確率で実現されることが誰の目にも明らかであれば、金融機関として融資をしても、元金、金利は戻ってきそうなので融資をしてくれるでしょう。事業計画書で大切なことはここなんです。

 

予測に過ぎない未来の事業計画が、実現されるように思ってもらえるかが勝負になります。ちなみに、事業計画書は、創業融資をお考えの場合に必ず必要となります。

事業計画書の大きな2つの構成

あるモノやサービスを、誰に、どうやって、いくらで、誰と協力して販売するのか、そしてその結果、一年間でどのくらいの収入と支出があるのかという基本的な事業の話を書くことが1つ必要となります。

 

2つ目が、大切です。何故、あなたがそのモノやサービスを扱うと、売ること(設ける)ができるかということを客観的に示すことも必要となります。この部分が多くの事業計画書作成の本などにはぼかされて書かれています。

 

2つの構成を具体的な項目で書き出してみますと、次のようになります。

 

基本的な事業の話の内容

①扱う商品、サービスが何なのかという話

②商品やサービスを誰に対して売るのかというターゲットの話

③商品やサービスをどこで販売するのか(販売チャネル)の話

④商品やサービスの値段の話

⑤仕入先や事業協力者などの話

⑥1年間でいくら売上が出るのかという話

⑦1年間でいくらを何に使うのか(経費)という話

⑧必要な資金の金額の話

この人なら売れると思える内容

①何故創業しようと思ったのかという動機の話

②これまでの事業経験・経歴の話

③あなたならではの強みの話

④計画書の全体の内容

 

以上の構成要素を最低限押さえることが必要となります。

基本的な事業の話の内容

基本的な内容の要素は、基本的にはあなたが決めた話です。そのため、良い事業計画書を作成するポイントは、「わかりやすさ」ということになります。

 

「わかりやすさ」とは、単純に文章のわかりやすさという面と、もう一つが難しいビジネスであってもわかりやすく書くということです。

 

この発想は重要です。

 

どんな素晴らしいビジネスモデルであっても、それを理解してもらえませんと融資はおりません。良くある話ですが、創業者の方は、創業される事業の業界に長年いますので、普通の人では全くわからないことも当たり前となってしまっています。

 

そのため全く知らない人の目線に立って話すことができなかったりします。金融機関の人は、融資のプロであっても、あなたの業界のことは知らないかもしれませんのでご注意ください。

融資の成功確度を高める事業計画書

成功確度の写真

指定のフォームは使わない?

公庫の創業融資、保証協会の制度融資どちらにしましても、ほとんどの場合は、指定の事業計画書のフォームがあります。制度融資の場合は、そのフォームを記入することが基本となります。しかし、公庫の場合には、フォームの使用はお勧めしません。

 

書くべき項目が少ないことや、大切な項目でも厚めに書くことができないためです。僕の場合には、自らフォームをお客様に応じてアレンジし、事業計画書自体を作成しています。公庫のフォームをみてみますと、創業動機などの項目はありますが、2,3行しか書けません。逆に言えば、公庫の場合は、指定のフォームでも良いと、公庫はしているわけですので、それ以上の事業計画書を出すことで事業への本気度も伝わります。

 

しかし、裏を返すと、公庫はこれまでの経験から指定のフォームを作成しております。そのため、指定外のフォームを使用する場合には、公庫の担当者のことを考える必要があります。無駄な内容を書き、文章量が増えると単純に担当者の仕事が増えます。メリハリをしっかりとつけることが大切です。

売上予測は証拠を出しながら

こちらについては、散々お話してきました。事業計画を机上の空論にしないためにも、開業当初に何故、この売上を出すことが出来るのかということを、客観的な証拠を用いて証明することが必要になります。

資金繰りは現実性が全て

企業間の取引では、モノが売れてもお金が入ってくることが何か月も先ということが普通にあります。となりますと、売上の入金が2か月後ですと、それまで売上がない場合で、他社への支払いがある場合、資金がなく他社へ支払いができませんと事実上倒産ということにもなります。黒字倒産という言葉があります。

 

黒字であっても、資金繰りをうまくやりませんと倒産してしまうのです。資金繰りは、あくまでも現実の事業活動の中で出てきます。しかし、公庫の事業計画書フォームの中にも取引先との契約条件は書く項目があります。

 

また、1年間の企業行動を示すのが事業計画書ですので、資金繰りをも考慮した計画書が必要になります。そのため、契約条件が複雑な会社のような場合には、資金繰り表のようなものを作成してもよいでしょう。

事業計画書はワード、エクセル、パワーポイントどれで作ればよいのか

事業計画書はわかりやすさが大切なことは間違いありません。金融機関も限られた時間の中で、仕事をしております。そうしますと、たくさんの枚数の計画書はいりません。また、お客様にたまに聞かれます質問に、事業計画書をパワーポイントで作成した方が良いのかというものがあります。

 

僕の事務所では、パワーポイントを使用して事業計画書を作成することはまずありません。基本的には、ワードとエクセルを使用して事業計画書を作成しています。パワーポイントが決して悪いわけではありません。しかし、事業計画書は、あなたの口頭での説明がなくとも成立するものにしなければいけません。

 

金融機関では、担当の人のみで融資の可否を決定することはできません。担当者が金融機関内の関係者に共有、説得し、融資が実行されることになります。そのため、事業計画書をみて、誰もが勘違いなどせずに理解できる内容でないといけません。あなたが、金融機関の会議などでプレゼンすることはできません。そのような条件の中では、文章を中心にすることがおススメです。

事業計画書を仕上げるコツ基本編その1

①扱う商品、サービスが何なのか

事業計画書の最初に来る項目です。

 

要するに、あなたがどのような事業をしたいのかということです。具体的にわかりやすく説明することが大切です。

 

たとえば、カフェをやりたいとします。しかし、カフェの中でもいろいろなカフェがあります。ドリンク中心なのか、食べ物も充実しているのか、雰囲気はどういうカフェなのかということで全然違った印象を受けます。

 

人は、見た目が9割と言われます。金融機関の担当者は、忙しく、また、ものすごい数の融資案件をやっております。そのため、第一印象でカフェをやるとしか書いていませんと、金融機関の担当者が思い描くカフェの認識が、話のベースになってしまいます。カフェをはじめる人はたくさんいますので、どのようなカフェなのかという点(強みにもかかわるかもしれませんが)を端的に説明しましょう。

 

例えば、漫画のワンピースの世界を舞台にしたカフェであるとか、100種類のコーヒーが飲めるコーヒー専門のカフェといったことが書いてありますと、ただ単にカフェと書いてある場合に比べまして最低限、興味は持ちませんか?

②ターゲット:商品やサービスを誰に対して売るのか

 ターゲットの話は、かなり重要な項目です。

どのような人をターゲットにするのかということは、扱うモノやサービスも合わせて考える必要があります。例えば、老人ホームを経営される場合は、ターゲットは簡単そうですよね。ターゲットはシニアの方ということになります。

 

しかし、これではターゲットの考え方としましては30点くらいです。といいますのも、ターゲットを考えるには、まずものすごく絞って考えることを意識してください。絞るというのはどんな人をターゲットにするかを明確にしていくということです。シニアの方と言いましても、いろいろな条件で分けることができ、分けた条件ごとにシニアの人を見てみると、全然違うシニア層がみえてきます。

 

どのような条件で分けることが出来るのかちょっと例を出してみます。

 

わかりやすいところですと、年齢、性別、金銭的に裕福か、貧しいか、どこに住んでいるか、1人暮らしなのかそうでないのかなど、多数の条件で分けることができます。詳しく分けることで、明確にしたターゲットごとの問題や特徴がみえてきます。

 

単純に、男と女のシニアの人では、求めるモノやサービスは違いそうですよね。また、男のシニアの方でも、裕福なシニアの方と貧しいシニアの方では求めるモノやサービスは違いそうですよね。

 

ちなみに、僕の事務所は会社設立業務もやっております。会社設立業務のターゲットですが、「まだ会社で働いているものの、近いうちに(大体1か月以内)会社を退職して会社設立しようと考えている、東京、神奈川、千葉、埼玉県に住んでいる20代~60代の男性」としております。

 

ここまで具体化してきますと、どういうサービスが必要なのかということが少し見えてきます。まだ会社で働いている=ものすごい忙しく平日は少なくとも時間がない=土日祝日の営業や夜間までの営業を考えたり、会社設立以外の会社設立時に必要となるようなサービス(例えば名刺作成など)も提供するなどといったことです。

 

このように、ターゲットを明確にし、ターゲットの特徴、問題を抽出し、その特徴や問題を活かしたり、改善・解決できるモノやサービス、販売方法にしていくのです。このように説明することで、話に一貫性、論理が生まれ、説得力のある事業計画書になります。

③商品やサービスの販売チャネル

販売の写真
商品やサービスをどこで販売するのか(=販売チャネル)という話です。例えば、豆腐を売ろうと思いました。あなたなら何個の販売チャネルを思いつきますか?

 

ちなみに僕は、店舗販売、代理店販売(スーパーなどに卸す)、インターネット販売、行商、ちらしなどDM(ダイレクトメール)販売チャネルを思いつきました。

 

どの販売方法が良いのかは、それだけを見てもわかりません。大切なポイントは、何故その販売チャネルを選んだのかという理由でしょう。この理由の1つになってくるのが、ターゲットでした。例えば、豆腐を買う人は女性の人の方が多そうです。女性というだけではターゲットが絞りきれていませんよね。

 

そこでもうちょっとターゲットを絞ります。ここでは、専業主婦としましょう。専業主婦の方ですと、家の近所にいることが多いと思いますので、行商などの可能性が出てきます。これが、さらにシニアの女性ですと、行商の可能性は高くなります。豆腐というシニアの方にも食べやすく、ヘルシーな食べ物ということと、買い物弱者と言われるシニアの方ですと、自宅への宅配サービスなどが充実してきている、現在では、宅配サービスのような利便性を持ちます行商販売はウケる可能性があります。

 

基本的には、費用の問題もありますが、販売チャネルはたくさん持っておく方が一般的には良いと思います。しかし、高級ブランドなどは、基本的にはブランドイメージを高めるため百貨店や自店舗などにしかチャネルを持っていないことがあります。そのため、あなた自身の商品やサービスの特性などを検討し、最適なチャネルを決めるのです。

④商品やサービスの値段

あなたは、あなたの提供するモノやサービスをいくらでどのような契約内容で支払ってもらう予定でしょうか?

 

いくらというのは、ハンバーガー1つ100円ということです。問題なのは、どのような契約内容でということです。

 

ちょっとあり得ない話かもしれませんが、豆腐を例にします。基本的に豆腐を買う人と売る人の多くは、豆腐1個を、買い手の好きなタイミングで買っていますよね?そのため、売り手は毎月の売り上げを経験から予測はできますが確定はできません。

 

しかし、確定できる方法はありますよね。それは、例えば、1年間豆腐を買い続けていただく契約などを買い手に結んでもらうことでしょう。内容は何でもよいのですが、毎月2回、豆腐を届けますといったサービス契約です。このようにしますと、契約解除などがなければ1年間安定して数字が見込めます。前者の場合だと、事業計画書内に1日200個売れますと書いても、本当に売れるのかを証明することは非常に難しいものがあります。蓋を開けてみないとわかりませんよね。

 

しかし、後者の場合ですと、蓋を開ける前に結果を決めることができます。豆腐を作る前に(融資の前に)1年間の契約を数百人としましたとして人数分の契約書をみせれば、売上はまだですが、ほとんど事実となります。

 

このように、未来の話でも裏付けする作業をとることで事実に近づけていくのです。

 事業計画書を仕上げるコツ基本編その2

⑤仕入先や事業協力者

あなたが事業を行う場合に、取引先や事業協力者が必要になります。この取引先や事業協力者はしっかりと事業計画書内に書く必要があります。

 

といいますのも、あなたは創業前後で、残念ですが実績はありません。しかし、あなたの扱うモノを、例えば、名門百貨店が採用してくれたとします。この場合、百貨店は販売チャネルですが、名門百貨店の実績や信用が少しですがあなたにものってきます。

 

また、先ほども書きましたが、一般的に販売チャネルは多い方が良いです。豆腐で考えてみますと、全国にスーパーが100店あれば、100店においてもらえた方が、50店の時よりも単純に売上は大きくなります。このような単純な話ですが、事業協力者、すなわち、豆腐を扱ってくれるスーパーの名前がたくさん書けますと、それだけ売れる機会、可能性が高くなるということです。

 

これも、未来の話が現実になるのではないかというポイントです。

⑥1年間でいくら売上が出るのか

月によりまして、売上は変わりますよね。営業日の問題や、季節要因、様々な施策の効果が出始めることなどを計画書には織り込む必要があります。このようにしっかりと作りこむことで、金融機関の担当者に事業への想いの強さ、真面目さ、数字への強さなどをアピールできます。

 

ポイントは、作りました売上予想を毎月達成できるかということです。売上は高い方が、金融機関の担当者からの見え方が良いと思い、むやみに高く予想する方も多くいます。それはよくありません。また、数字だけの売上予想もよく目にします。これもダメですね。大切なことは何で数字になったのかという、数字が出てきた理由になります。この理由は文章で説明することになります。売上根拠と言っても良いでしょう。

 

売上根拠をいかにしっかりとつくることができるかがポイントです。

 

売上根拠とはどういうものでしょうか?

 

良くあるのが、豆腐を100円で売ります。創業当初は一日200個売れます。営業日数が25日です。そのため、100円×200個×25日=50万円。これで終わりです。何度も言いますが、ここで一番大切なことは、何で200個売れるのか、本当に200個売れるのかということを説明、証明することです。この200個が間違いなく毎日売れることを証明できれば、50万円の売上が立ちます。

 

では、どうやって証明していくのでしょうか?

 

ここが事業計画書で一番のポイントです。

 

僕の事務所では、この豆腐の場合ですと次の3つの事実で説得力のあります事業計画書を作成しています。

 

①お客様自身の経験から、最低、どのくらい売れるか

②平均的な数字を持ち出す

③確実な数字をつくる

という3つの方法です。①が一番説得力の弱い方法で、③が一番説得力強い方法になります。

 ⑦確実な数字を作る

①お客様自身の経験から、最低、どのくらい売れるか

 

これは、大抵の場合、お客様は創業する業界の経験や常識を知っています。そのため、今までのお客様が培ってきました経験から、大体、どのくらい売れるかということは予測がつくものです。しかし、お気づきかと思いますが、これは、あくまで創業者の主観の話なので説得力が圧倒的に弱いですよね。そのためあまり使えません。しかし、今まで20年間勤めて経験してきたことと全く同じことをやる場合などには、お客様がどの程度、来てくれるかという予想はかなり近い確率でできると思いませんか?

 

②平均的な数字を持ち出す

これは、例えば、豆腐を自前の店舗で売る場合や、行商で売る場合などで、条件が同じような豆腐屋さんと比較する方法です。比較する豆腐屋さんが既に2年くらい営業していた場合で、その他の条件が同じようであれば、もちろん人間が違ったりしますが、一定程度、近い売上を予測できます。しかし、この方法でも、条件が完全に一致することはありませんので、説得力に欠けることもあります。

 

逆に、比較するお店と比べて圧倒的に条件が良い場合で、最低でも比較しているお店くらいは売れるのではないかという説明には使いやすいと思います。

 

③確実な数字をつくる

これが目指す方法です。何度か例にあげていますように、確実に数字が見込めるようにできていますと事業計画書の説得力があがり、融資がおりやすくなります。例えば、先ほどからの豆腐屋さんで説明しますと、基本的には自前の店舗を持っている豆腐屋さんです。そのため、店舗に足を運んでくださるお客様の数は、予想が難しいですよね。

 

しかし、豆腐を売れる人は、一般のお客様以外にもいますよね。何度か、お話していますが、スーパーなどに置いてもらうことや、スーパーに買ってもらうなどといった方法もあります。

 

また、中華料理屋さんをはじめ飲食店への売り込みなどであれば、対企業や事業主(BtoB)との取引であれば、一定数量の取引となりますし、契約書(発注書)などが事前にありますので、数字を証明する大きな方法になります。

 

このような契約を取っておくことは、融資にもものすごい有利に働きますが、あなたが、いざ開業した時にも売上に直結しますので一石二鳥の話です。最優先で営業をすることが必要です。

 

とはいえです、このように融資前にここまで準備のできている創業者はあまりいません。僕の事務所のお客様でも、事前に売上予想が固い方(③がある方)はそうはいません。そのような場合には、競合分析やあなたの強み、販売方法などの要素から、論理を積み重ねて説明していく方法を採ります。③の条件がなくとも十分に融資は通っていますのでご安心ください。

⑧経費:1年間でいくらを何に使うのか

<開業初月>
開業初月から1年間の毎月の売上予想を作りました。どのくらいの売上が出るのかに加えまして、毎月何にいくら使ったのかという経費の話も非常に重要です。売上が高くても、それ以上に経費が高い場合は赤字になってしまいます。経費も売上と同様に数字のみで示すのではなく、何にどのような理由でその金額を使うのかということを説明した方が良いです。

 

特に、売上のために使っている経費、例えば、広告費などは金額と成果(その金額を使用すするとどの程度の売上を上げることができるのか)を示すようにしています。

 

<必要な資金の金額の話>

創業にあたり、必要な資金の金額を考えないといけません。必要な資金の金額とは2つの意味があります。1つ目は、創業事業をはじめるために、かかる一切の資金のことです。つまり、あなたがはじめる事業には全てでいくらの資金が必要なのかという話です。2つ目が、創業にかかる資金をどのような形で賄うのかという点です。

 

この賄う資金の方法には、いくつかありますのでここでご紹介いたします。

①自己資金

②誰かから借りた資金

③金融機関からの借入資金の大きく3つがあります。

特に、自己資金の考え方は非常に大切です。

事業計画書を仕上げるコツ応用編

コツの写真

①何故創業しようと思ったのか

あなたが何故、事業をはじめられようと思われたかの動機です。僕は創業動機をものすごい大切な要素だと考えています。お客様に創業動機を伺うとその人の創業にかける本気度が伝わってきます。お客様に創業動機を紙に書いていただくと、2行で終わってしまう方と、ワードで2ページ、3ページ書いてくださる方がいます。内容にもよりますが、多いとやる気や真剣度がやはり伝わってきます。

 

量としましては、ワード1枚くらいで良いと思いますが、それ以上に、事業計画書を作っていく大前提となるのが実は創業動機です。どういった経緯で創業をしようと思ったのかということに金融機関の担当者が共感できませんと、事業計画書の話が理解しにくくなります。創業動機がしっかりしていないと、せっかく融資をしてもすぐにやめてしまうのではないか、やることがコロコロと変わってしまうのではないかと融資にはマイナスとして捉えれてしまいます。逆に創業動機がしっかりしていますと、担当者も人間ですので、想いに共感してくれますし、何とか事業をはじめられるようにお手伝いしたいという気持ちになるでしょう。たった2行では想いは伝わりませんよね。

 

ご参考までに、僕が行政書士事務所を創業した当時の創業動機を掲載させていただきます。

 

私が行政書士事務所を開設した理由は「社会が抱える問題をビジネスの力で解決、改善したい」と思ったからです。

何故ビジネスの力かといえば、ビジネスの世界は市場経済が働き合理的なサービスやモノが選ばれる世界であります。そのため真に価値のあるサービスを提供することができれば、他のいかなる手段よりもより多くの人が抱えている問題を一挙に解決できると考えたからです。

 

また弊社の事業が大きくなることで雇用が生まれ、納税が生まれます。

 

事業を行うこと自体、広い意味での社会の問題解決、改善にあたることでもあると考えております。我々は近江商人の三方よしの精神に強い感銘を受けております。社会的な責任をしっかりと果たし、世のため人のためになる事業を行っていく所存です。

 

そして取り扱い業務としましては、起業家支援業務としまして、会社設立業務を考えています。それは日本の今後の経済発展にとって、起業家の存在は欠かすことはできません。起業家が増えてこない限り、日本経済が強く、良くなることはありません。

 

私は、自分のように若くして起業をする人が、今後、増えてくるように一つの成功事例になれればと考えております。私自身はまだまだ未熟ですが、大学2年次に行政書士の資格を取得しており、起業家の数を増やす=会社設立数を増やすということができる行政書士の資格があります。非常にやりがいと影響の大きい仕事だと思っておりこの度の創業を決意しました。

②これまでの事業経験・経歴

 あなたはまだこれから創業するか、創業して間もないかのどちらかと思います。いずれにしましても、あなたには実績はありません。通常、金融機関は、実績を見て融資の可否を判断します。しかし、あなたのこれまでの事業経験や経歴は実は、実績になる可能性が十分にあります。特に、これまでやってこられた事業を同じ事業を創業事業としてはじめられる場合や、過去の経験を創業事業にも活かせることができる場合です。

例えば、創業事業としてラーメン屋さんをはじめる人がいたとします。ラーメン屋さん自体は、まだ開業していないので、実績はありません。しかし、この人は、創業前にラーメン店3店舗で10年間修業を積んでいたとします。この10年間の経験をしっかりと伝えることができますと、創業事業の結果はこれからですが、何となく上手く行く気がします。

 

また、これまで営業マンとして働いてきて、セールスがダントツでNO1だった人が、例えば、畑違いですがホームページ制作会社をつくったとします。もちろんホームページに関しては知識がありませんので、この人だけで創業融資に挑んでも難しいかもしれません。

 

しかし、創業メンバーの1人に専門家がいるとします。ホームページは主に企業や事業主向けに販売します。そのため、制作は創業メンバーである専門家に任せられます。このような状況ですと、代表は売るモノは変わったとしましても、対企業や事業主の営業でダントツの成績を残してきておりますのでノウハウや人脈が豊富にあります。そうしますと、そのような人が扱うモノは売れる気がしますよね。

 

このように、創業融資でも実績を連想させることはできるのです。事業経験や経歴は非常に大切になります。あなた自身の強みを抜き出します。そして、抜き出した強みが創業事業に活かせることを示すという工夫をしましょう!

③あなたならではの強み

あなたならではの強みですが、こちらはこれまでの事業経験・経歴からのお話ももちろんそうですが、それ以上に、競合他社との比較でみえてくるあなたの会社や事業の強みのことです。そのため、まずは競合の状況を正確に把握する必要があります。

 

<競合を分析するうえで必要なこと>

まず最初に、どの会社までを競合として捉え、比較の対象にするかを考えます。ここで競合として考える上で役に立つ観点があります。次の4つはマーケティングでは最も基本とされる4Pというものです。

①モノ・サービス(Product)

②価格(Price)

③販売チャネル(Place)

④販促方法(Promotion)

 

この4Pの観点を持ちながら、競合を考えてみると真の競合がみえてきます。①のモノ・サービスですが、これは、単純にハンバーガーとした場合、このモノ・サービスだけの観点からいえば、マクドナルドもモスバーガーも1つ2,000円するハンバーガー屋さんも競合になりそうです。

 

では、ここに②の価格の要素を入れるとどうでしょうか?マクドナルドのハンバーガーは1つ100円です。モスバーガーは1つ300円~400円くらい。もう一つのハンバーガー屋さんは2,000円となります。ちょっと違ってきました。値段が違う=何が変わりますか?

 

ターゲットが変わるんです。マクドナルドには子供だけの姿がたくさんみられますが、モスバーガーなどになりますとそれほどみることはできません。これは、子供では買えない価格だからという理由が1つあります。(もちろんターゲットにしていない子供向けの価格設定をしていないという考え方もできますが、モスバーガーの場合は、きっとマクドナルドとの差別化戦略から、高級路線を進んでいるため、価格設定も高くしていると考えるのが近いかもしれません)

 

さらに、③の販売チャネルを合わせるとどうでしょう。マクドナルドは繁華街や駅近くの立地でお店を展開しています。大抵のハンバーガー屋さんも店舗を持つという部分では共通でしょうが、立てる場所では大分違ってきます。特に、2,000円のハンバーガー屋さんなどは、駅からちょっと離れた郊外にあったりします。こういった場合、マクドナルドが想定しているお店への入店のされ方と、2,000円のハンバーガー屋さんは違います。マクドナルドは、目についたから行くという感じでしょう。2,000円のハンバーガー屋さんは、そこにあるのを知って行くという感じです。この違いは大きいです。

 

最後4つ目の販促方法は、非常にわかりやすいです。マクドナルドは、よくテレビCMを流します。これは、ターゲットが幅広いということもあります2,000円のお店では、そのような大規模な販促方法は資金的に取れません。そこで、口コミを起こすために、お店の近所でチラシを配ったりします。

 

競合を考えるにあたっては、ターゲットが重なっているかがポイントになります。すべては、ターゲットから価格などの4Pは決まってきます。この3つのハンバーガー屋さんは競合する部分もあります。しかし、特にマクドナルドと2,000円のハンバーガー屋さんは競合とは言えないかもしれません。

④計画書の全体の内容

ここまで、この人なら売れると思わせることができる要素について説明してきました。その最後として、計画書全体の内容があります。これは、創業動機の部分でもお話しました、人は見た目が9割という発想に近いものです。

 

本来の事業計画書は、際限なく素晴らしいものができます。量にすると、ワード数十枚にも平気でなってしまうでしょう。内容があり量もしっかりしている、さらに、ここまで説明してきました内容を踏まえて書くことができていた場合には、一貫し、現実的で、論理的な事業計画書になっています。

 

このような事業計画書と、適当に作った事業計画書では、重みが違います。その人の事業に対する想いが事業計画書を通してみえてきます。

 

また、しっかりとした分析ができていれば、分析能力なども評価されるでしょう。このように、事業計画書を作成することというのは、単純に事業計画書としての意味+事業への想い+経営者としての能力が見られているといえます。

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